令和8年8月千葉豪雨――東葛エリアの浸水被害と罹災証明・復旧工事への備え
東葛エリア(松戸市・柏市・流山市・野田市・我孫子市・鎌ケ谷市・印西市など)を拠点とする行政書士事務所のブログ記事
はじめに
2026年8月13日、千葉県に大雨特別警報(レベル5)が発表され、記録的な豪雨により東葛エリアの各市で道路冠水、床上・床下浸水などの被害が相次いで発生しました。国はこの災害を受けて災害救助法を適用し、対象は当初の18市から拡大し、松戸市・柏市を含む24市町に及んでいます(内閣府 政策統括官(防災担当)発表)。
被災された方にとっては、罹災証明書の取得や各種支援制度の申請が生活再建の第一歩になります。また、地域の建設事業者様にとっては、応急復旧工事への対応や施工体制の整備が問われる局面でもあります。本記事では、東葛エリア4市(松戸市・柏市・流山市・我孫子市)の支援情報を中心に、行政書士として押さえておきたいポイントを整理します。
1. 罹災証明書・被災証明書とは
罹災証明書は、住宅が災害でどの程度被害を受けたかを市区町村が公的に証明する書類で、被災者生活再建支援金や住宅の応急修理、税・保険料の減免、義援金の受給など、ほぼすべての被災者支援制度の申請の基礎となります。建物以外(車両・カーポート等)の被害には「被災証明書」が交付されます。
一般的な必要書類は次のとおりです。
- り災証明書交付申請書
- 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証等)
- 被害状況がわかる写真(浸水の高さや損傷箇所が確認できるよう複数枚)
- 代理申請の場合は委任状および代理人の本人確認書類
罹災証明書は原則として現地調査を経て発行されますが、写真等により被害の程度を自己判定する「自己判定方式」を導入している自治体もあり、この場合は現地調査を待たずに早期発行が可能です。
2. 東葛4市の支援制度(2026年8月時点)
松戸市
松戸市は被災者向けに主に4つの支援策を実施しています。
- 災害見舞金の支給(被害状況が分かる写真や罹災証明書等が必要。問い合わせ:福祉政策課 047-366-3019)
- 災害ごみの回収(分別したごみを市が回収。廃棄物対策課 047-704-2010)
- 家屋の消毒作業(浸水被害家屋の床下消毒を市が実施。環境保全課 047-366-7336)
- 市営住宅の提供(床上浸水等で居住継続が困難な世帯向けに、災害用住戸を8戸新規整備し計15戸に拡充予定。家賃・敷金は免除〔光熱水費は自己負担〕、原則3か月・最長1年更新可、先着順。問い合わせ:住宅政策課 047-366-7366)
詳細は松戸市「令和8年8月千葉豪雨の被害により被災された方へ」をご確認ください。
柏市
柏市では市営住宅2戸の無償提供(家賃・敷金・駐車場無償、使用期間6か月以内・最長1年更新可、光熱水費・共益費は自己負担)を開始したほか、災害コールセンターを開設して罹災証明書・被災届出証明書の申請受付を行っています。また、大雨により下水道管が満水状態となった地域(柏厚生総合病院付近、西町、豊四季一~四丁目)では、入浴や洗濯など大量の水を下水道に流す行為を控えるよう呼びかけがされています。
詳細は柏市「令和8年8月千葉豪雨 被災された方に向けた支援情報まとめ」をご確認ください。
流山市
流山市では以下の支援が案内されています。
- 住宅の消毒:環境政策課による無料の消毒薬散布(受付時間 午前8時30分~午後5時、床下や庭の消毒は原則不要。問い合わせ 04-7150-6083)
- 罹災証明書・被災証明書:申請から通常3~5日で発行。8月15・16日は午前10時~午後3時の臨時受付を実施(問い合わせ 04-7150-6312)
- 災害見舞金:床上浸水の場合、一般世帯3万円・準世帯2万円を支給。全壊・半壊も対象(問い合わせ 04-7150-6079)
詳細は流山市「令和8年8月千葉豪雨に対する支援・手続きについて」をご確認ください。
我孫子市
我孫子市では「罹災証明書」「被災(り災事項)証明書」「り災届出証明書」の3種類の証明書を交付しています。り災届出証明書は現地調査なしで即日交付が可能です。申請は市役所市民安全課または行政サービスセンター窓口のほか、郵送でも受付(り災届出証明書は窓口のみ)。申請期限は災害発生から37か月以内で、手数料は無料です(問い合わせ:市民安全課 04-7185-1111 内線20295・20217)。
また、我孫子市は経済産業省・千葉県と連携し、被災中小企業・小規模事業者向けの支援措置も案内しており、地域の建設事業者様・商店経営者様は併せてご確認いただくことをお勧めします。
詳細は我孫子市「り災証明書・被災(り災事項)証明書・り災届出証明書」をご確認ください。
3. 県・国レベルの主な支援制度
罹災証明書を取得すると、被害の程度に応じて以下のような支援制度の対象となる場合があります(総務省「令和8年8月千葉豪雨により被災された方への生活支援窓口案内」より)。
- 被災者生活再建支援金:全壊世帯に対し、国制度で最大300万円、千葉県独自制度で最大100万円が支給される場合があります。
- 住宅の応急修理:最大73万9,000円の支援。
- 税・保険料の特別措置:国税の納付猶予、所得税の軽減、県民税・市町村民税の減免、国民年金・国民健康保険料の猶予など。
- 災害弔慰金・見舞金、生活福祉資金の貸付、雇用保険の失業給付、医療保険の窓口負担猶予・減免なども制度化されています。
制度の適用可否は罹災証明書の被害区分(全壊・大規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊等)によって異なるため、申請前に区分の見込みを確認しておくことが重要です。
4. 建設事業者様への関連情報
今回のような大規模な浸水被害では、応急復旧工事・住宅の修繕工事の需要が短期間に集中する傾向があります。地域の建設事業者様に関連する制度上のポイントは以下のとおりです。
- 解体工事や修繕工事の受注拡大に伴い、建設業許可の業種区分・技術者配置要件を満たしているかは事業者ごとの確認が必要です。
- 罹災証明書の被害区分によっては、施主様が公的な応急修理制度を利用されるケースがあります。契約書・見積書の記載内容が制度の要件(対象工事の範囲、上限額等)と整合しているかは、事前に確認しておくべき事項です。
- 経営事項審査(経審)を申請予定の事業者様は、令和8年7月1日改正の審査基準への対応も併せて必要になります。
5. 手続きが分かりにくいと感じたときは
罹災証明書の申請や被災者生活再建支援金など各種支援制度の手続きは、制度ごとに申請期限・必要書類・申請先が異なり、被害の程度によって使い分ける証明書(罹災証明書・被災証明書・り災届出証明書)や添付書類の組み合わせも変わってきます。特に、事業用資産の罹災に伴う各種届出や、建設業許可・経営事項審査など専門的な手続きが絡む場合は、必要な書類や進め方の整理に時間がかかることがあります。
内容の整理が難しいと感じる場合は、行政書士など書類作成の専門家に手続きの整理を依頼できることも、選択肢のひとつとして知っておくと安心です。
出典・参考リンク
- 松戸市「令和8年8月千葉豪雨の被害により被災された方へ」
- 松戸市が被災者を支援、災害見舞金や市営住宅の提供など4つの取り組み|松戸つうしん
- 柏市「令和8年8月千葉豪雨 被災された方に向けた支援情報まとめ」
- 柏市が市営住宅の提供開始、下水道の使用制限も|号外NET 柏市
- 流山市「令和8年8月千葉豪雨に対する支援・手続きについて」
- 流山市の支援情報まとめ|号外NET 流山・野田
- 我孫子市「り災証明書・被災(り災事項)証明書・り災届出証明書」
- 我孫子市「被災中小企業・小規模事業者支援措置」
- 内閣府「令和8年8月13日からの大雨に伴う災害に係る災害救助法の適用について【第2報】」
- 千葉県「被災者生活再建支援制度」
- 総務省「令和8年8月千葉豪雨により被災された方への生活支援窓口案内(ガイドブック)」
本記事は2026年8月17日時点の公開情報をもとに作成しています。支援制度の内容・期限・対象地域は今後変更される可能性がありますので、最新情報は各市区町村公式サイトでご確認ください。


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