のしいか所長外国人の土地取得が騒がれています。国の集計が9月15日に出ました。千葉県の分も、市町村の名前まで載っています。



千葉は、何件だったのですか。



8件です。そのうち、買った方の住所が国外にあるのは1件だけでした。数字を先に置いてから、この届出そのものの話をします。大きな土地を買ったら2週間以内に出す届出です。出さないと罰則があります。
千葉県は、8件でした
国土交通省が令和8年9月15日に公表した「外国人・外国法人による大規模な土地取得の状況について」(令和7年7月〜12月分)です。全国で68件。その68件を都道府県別に並べた表に、千葉県の行が8つあります。
| 市町村 | 取得主体 | 所在地・居住地 | 届出面積 | 利用目的 |
|---|---|---|---|---|
| 野田市 | 法人 | 国外 | 0.44ha | 生産施設 |
| 成田市 | 法人 | 国内 | 1.04ha | 生産施設 |
| 東金市 | 個人 | 国内 | 0.91ha | 生産施設 |
| 八街市 | 個人 | 国内 | 0.60ha | 駐車場 |
| 南房総市 | 個人 | 国内 | 4.37ha | 資産保有・転売等目的 |
| 酒々井町 | 法人 | 国内 | 0.31ha | 生産施設 |
| 酒々井町 | 法人 | 国内 | 0.16ha | 生産施設 |
| 酒々井町 | 法人 | 国内 | 0.04ha | 生産施設 |
国外に住所があるのは、野田市の法人1件(0.44ha・生産施設)だけです。残りの7件は、外国籍の方・外国法人ではありますが、住所は日本国内にあります。
東葛エリア(松戸・柏・流山・我孫子・野田・鎌ケ谷)では、野田市の1件だけでした。
また、「国内・国外」は国籍ではありません。資料の注記に「権利取得者の所在地・居住地は、届出書に記載された住所に基づき、国内、国外に区分しています」とあります。住所の区分です。
全国では、9,573件のうち68件
| 件数 | 面積 | |
|---|---|---|
| 届出全体 | 9,573件 | 23,845ha |
| うち外国人・外国法人 | 68件(0.7%) | 124ha(0.5%) |
| うち外国人 | 31件(0.3%) | 76ha(0.3%) |
| うち外国法人 | 37件(0.4%) | 48ha(0.2%) |
| うち永住者・特別永住者 (上の外国人31件の内数) | 13件(0.1%) | 16ha(0.1%) |
件数で0.7%、面積で0.5%です。そのうち13件は永住者・特別永住者の方でした。
この数字が取れるようになったのは、令和7年7月からです
以前は、数えられませんでした。届出書に国籍を書く欄がなかったからです。令和7年7月1日に、届出事項に国籍等が加わりました。令和7年7月〜12月分は、届出書に書かれた国籍をそのまま数えた、最初の集計です。
それ以前(令和3年1月〜令和7年6月)の分も、同じ資料に載っています。ただしこちらは氏名や法人の住所からの「類推」です。資料に「日本国籍か外国籍かの類推は一定のルールに基づき行ったものであり、実際と異なる可能性があります」と書かれています。
| 方法 | 件数の割合 | 面積の割合 | |
|---|---|---|---|
| 令和3年1月〜令和7年6月 | 類推(氏名・住所から) | 0.4%(297件) | 0.9%(1,872ha) |
| 令和7年7月〜12月 | 届出書の記載 | 0.7%(68件) | 0.5%(124ha) |
令和8年4月1日に、届出事項がもう一段増えました
2年続けての改正です。どちらも国土利用計画法施行規則の改正で、届出書に書くことが増えました。
| 施行 | 加わった届出事項 | 対象 |
|---|---|---|
| 令和7年7月1日 (令和7年4月1日公布) | 個人は国籍等/法人は設立準拠法国 | 権利取得者 |
| 令和8年4月1日 (令和8年2月2日公布) | ①代表者の国籍等 ②同一の国籍等を有する者がその役員の過半数を占めるものである場合 当該国籍等 ③同一の国籍等を有する者がその議決権の過半数を占めるものである場合 当該国籍等 | 権利取得者が法人の場合 |
国土交通省は、理由をこう書いています。「権利取得者となる法人の意思決定を左右しうる国があればその旨を把握し、より実効性ある利用目的の審査等ができるようになります」。



ここが、会社を持っている方に関わるところです。設立準拠法国が日本でも、代表者の国籍・役員の過半数・議決権の過半数を書くことになりました。自社が届出をするときに、登記簿を見るだけでは書けません。先に手元で確かめておくと、2週間の期限に追われずに済みます。
何を買った届出だったのか
68件の内訳です。面積でいちばん大きいのは「資産保有・転売等目的」、件数でいちばん多いのは「生産施設」でした。
| 利用目的 | 件数(うち外国人等) | 面積(うち外国人等) |
|---|---|---|
| 生産施設 | 2,645件のうち23件(33.8%) | 4,499haのうち21ha(17.1%) |
| 資産保有・転売等目的 | 1,367件のうち21件(30.9%) | 4,481haのうち58ha(46.8%) |
| 商業施設 | 844件のうち5件(7.4%) | 1,428haのうち4ha(3.0%) |
| 駐車場 | 271件のうち4件(5.9%) | 96haのうち3ha(2.4%) |
| 別荘 | 23件のうち3件(4.4%) | 92haのうち2ha(1.4%) |
| 住宅 | 1,491件のうち2件(2.9%) | 545haのうち6ha(4.5%) |
| 林業 | 1,143件のうち2件(2.9%) | 7,448haのうち13ha(10.3%) |
国籍別では中華人民共和国が28件(41.2%)・42ha(33.8%)で最多、次いで香港7件・アメリカ合衆国7件・パキスタン4件・英国3件(19ha)です。
千葉県の8件のうち6件が「生産施設」でした。全国の形と、同じ向きです。
ところで、この届出をご存じですか
ここからが、本題です。いま見てきた数字は、国土利用計画法第23条の届出を集めたものです。外国人だから出す届出ではありません。一定の面積以上の土地を買った方は、国籍にかかわらず、全員が出しています。
9,573件の大半は、日本の個人と法人です。工場の用地を買った会社、資材置場を広げた会社、分譲地をまとめた会社——東葛エリアの事業者にも、普通に関わります。
面積は、3つです
| 区域 | この面積以上で届出 |
|---|---|
| 市街化区域 | 2,000㎡以上 |
| 市街化区域を除く都市計画区域 (市街化調整区域・非線引き区域) | 5,000㎡以上 |
| 都市計画区域以外の区域 | 10,000㎡以上 |
届け出るのは、買った側です
第23条第1項は「土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる者(権利取得者)」が届け出る、と定めています。売った側ではありません。
対象になる権利は所有権・地上権・賃借権と、これらの取得を目的とする権利です。売買だけではありません。千葉県は、次のものを挙げています。
- 交換/営業譲渡/譲渡担保の設定/代物弁済
- 共有持分の譲渡/地位の譲渡
- 地上権・賃借権(権利金等の授受がある場合)
- 信託受益権の譲渡(土地の所有権の移転を受ける権利を有する場合)
- 予約完結権・買戻権等の譲渡
- これらの契約の予約も、同じく対象です
対価のある取引が対象です。相続や贈与のように対価を伴わないものは入りません。
期限は2週間。起算日は契約日です
第23条第1項は「その契約を締結した日から起算して二週間以内に」と書いています。千葉県のページは「契約した日を含め14日以内」と言い換えています。
千葉県が挙げている例 火曜日に契約した場合は、翌々週の月曜日まで。14日目が土曜・日曜・祝日など市町村窓口の休みに当たるときは、その翌日までです。
起算日は、契約を結んだ日です。登記の日でも、引渡しの日でも、残代金を決済した日でもありません。ここを取り違えると、気づいたときには過ぎています。
出すのは、市町村の窓口です
第23条第1項は「当該土地が所在する市町村の長を経由して、都道府県知事に届け出なければならない」としています。県庁に直接ではありません。市町村で受理された届出は、市町村長の意見を付けて県に送られます。
| 担当 | 電話 | |
|---|---|---|
| 松戸市 | 街づくり部 都市計画課 | 047-366-7372 |
| 柏市 | 都市部 宅地課 | 04-7167-1146 |
| 千葉県 (制度の問い合わせ先) | 県土整備部 用地課 土地取引調査室 | 043-223-3289 043-223-3251 |
出さないと、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金
国土利用計画法第47条第1号です。第23条第1項に違反して届出をしなかった者は、「六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する」と定められています。偽りの届出をした場合も同じです。
契約そのものは無効になりません。届出を怠っても取引は成立します。だからこそ、忘れられます。
出したあとは、3週間
県は、届出があった日から起算して3週間以内に勧告をすることになっています(第24条第2項)。審査されるのは利用目的です。対価の額も届け出ますが、事後届出では価格は勧告の対象になりません。
- 3週間は、延ばされることがあります。知事は一定の場合に、3週間を限度として期間を延ばせます(第24条第3項)。延長の通知が来ます
- 勧告に従わないと、公表されることがあります。「その旨及びその勧告の内容を公表することができる」(第26条)。できる規定で、必ず公表されるわけではありません
- 勧告しない場合、原則として通知は来ません。千葉県は、通知を希望するなら届出書の「その他参考となるべき事項」欄に書くよう案内しています



何も来なければ、通ったということですか。



そういう運用です。ただ、「来なかった」と「届いていなかった」は、外から見分けがつきません。通知を希望する欄があるのですから、書いておくほうが安心です。受理印の入った控えも、必ず手元に残してください。
千葉県の様式は、県の規則で決まっています
ここは、見落とされやすいところです。令和7年の国土利用計画法施行規則の改正で、国の省令にあった別記様式第3が廃止されました。そのため千葉県は、「国土利用計画法第23条の規定による届出の様式を定める規則」を自前で作っています。
| 公布・施行 | 令和7年6月27日 |
|---|---|
| 意見募集 | 令和7年5月20日〜6月18日。提出された意見は0件 |
| 県の説明 | 「県内で統一された様式により届出を行うことができるように」 |
様式は、県ごとに決められています。他県の様式や、古い様式を流用しないでください。届出用紙は、市町村の窓口と県庁用地課で配られています。
出すもの
| 書類 | 部数 |
|---|---|
| 土地売買等届出書 | 3部(うち1部は届出人の控え) |
| 位置図(縮尺5万分の1程度) | 2部 |
| 周辺状況図(縮尺5千分の1程度) | 2部 |
| 形状図(公図、測量図等) | 2部 |
| 契約書の写し、またはこれに代わる書類 | 2部 |
| 委任状 (代理人が届出をする場合。当事者が法人で、その関係者が届け出るときは不要) | 2部 |
届出が要らない場合もあります
第23条第2項に当たるとき、および国土利用計画法施行令第17条で定める場合は、届出が要りません。千葉県が例として挙げているのが、農地法第3条第1項の許可を受けることを要する場合です。
当事務所にできること
- 国土利用計画法の事後届出——届出が要るかどうかの確認から、届出書の作成・提出まで
- 一団の土地に当たるかどうかの整理——複数の契約に分けて買う場合
- 令和8年4月から加わった国籍等の記載——法人の代表者・役員・議決権の確認
- 農地法の許可・届出との振り分け
- 開発許可、建設業許可などの前後の手続
千葉県松戸市を拠点に、東葛エリアの事業者の皆様のお手伝いをしております。土地を買う話が決まりそうな段階で、一度ご相談ください。契約を結んでしまうと、2週間の時計が動き出します。
あわせてお読みください






参考にした資料
- 国土交通省「外国人・外国法人による大規模な土地取得の状況について——国土利用計画法の届出に基づく集計結果(令和7年7月〜12月分)」(令和8年9月15日)および同報道発表資料
- 国土交通省「大規模な土地取引の際の届出事項に法人代表者の国籍等を追加 『国土利用計画法施行規則の一部を改正する省令』を公布」(令和8年2月2日)
- 国土交通省「土地取引規制制度」(事後届出制の概要・一団の土地)、「国土利用計画法リーフレット(令和8年度版)」
- 国土利用計画法(昭和49年法律第92号)第23条、第24条、第26条、第47条
- 千葉県「国土利用計画法の事後届出について」、同「国土利用計画法第23条の規定による届出の様式を定める規則(案)に関する意見募集結果について」
- 松戸市「一定規模以上の土地取引について」、柏市「土地売買等の届出」
最終更新日:2026年10月30日 / 本記事は令和8年10月30日時点で公表されている資料にもとづいています。千葉県の届出件数(全届出9,573件のうち千葉県分)は、当方では確認できていません。本文の8件は、外国人・外国法人による68件の内訳としての件数です。千葉県の規則で定められた届出書の様式の番号と、令和8年4月1日からの国籍等の記載欄の有無も、当方では確認できていません。届出が要るかどうか、様式、添付書類、期限は、土地の所在する市町村の窓口でご確認ください。
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