のしいか所長9月7日、国土交通省が千葉県と千葉市の災害査定を簡素化すると発表しました。令和8年8月千葉豪雨の復旧を早めるためです。



災害査定・・役所同士の手続きの話だろう。うちのような施工業者には関係がないのでは。



いえ、これはいつ仕事が出るかの話です。査定が終わらないと、本格的な復旧工事の発注は出ません。その査定が早く終わる、という発表なのです。
災害査定とは、国が復旧費を決める手続きです
大雨や地震で壊れた公共の施設を直すとき、その費用の多くを国が負担します。公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法という法律にもとづく仕組みです。対象になるのは次の施設です。
河川、海岸、砂防設備、林地荒廃防止施設、地すべり防止施設、急傾斜地崩壊防止施設、道路、港湾、漁港、下水道、公園
国の負担は3分の2以上と高率です。正確には、年間の復旧事業費が標準税収の2分の1までは66.7%、2分の1を超えて2倍までは75%、2倍を超える分は100%が国費という段階になっています。被害が大きいほど国の負担割合が上がる仕組みです。
千葉県と千葉市で、二つが緩みました
根拠は「大規模災害時における公共土木施設災害復旧事業査定方針」です。被災箇所数が過去5箇年の平均を超えるなど一定の要件を満たした都道府県・政令指定都市に適用されます。今回、千葉県と千葉市がこれに当たりました。
① 書面だけで済む査定の上限が上がりました
| 区分 | 書面査定の上限 |
|---|---|
| 通常時 | 1,000万円未満 |
| 千葉県 | 8,000万円以下 |
| 千葉市 | 1億400万円以下 |
書面査定とは、国の査定官が現地に来ずに書類だけで判断するやり方です。通常なら1,000万円以上の箇所はすべて実地査定でした。それが千葉県では8,000万円まで書面で済みます。8倍です。実地査定の件数が大きく減ります。
② 設計図書が簡素になりました
査定を受けるために作る図面が、次のように軽くなります。
- 平面図 既存の台帳や国土地理院の地図、航空写真を用いて作成する
- 断面図 代表断面図とする
- 写真 起点及び終点並びに航空写真等による全景を撮影する



この査定方針には、ほかにも採択保留金額の引上げ、一箇所工事の取扱い、早期確認型査定という項目があります。狙いはひとつで、査定申請と工事着手を早めることです。
査定を待たずに、着工できます
ここは誤解されやすいところです。国土交通省の資料には、はっきりこう書かれています。
国の災害査定を待たず、被災直後からの復旧工事が可能。査定前に実施した復旧工事も、災害復旧事業に合致するもの全てが国庫負担の対象
つまり、査定の前に動いた分も国費で見てもらえます。発注者である県や市にとって、応急的な復旧を先に出す障害はありません。災害の直後から仕事は出ます。そこで声がかかるかどうかが、平時の準備で決まります。
対象は千葉県と千葉市です
見落とせない点があります。今回の効率化が適用されるのは千葉県と千葉市です。査定方針そのものが「都道府県・政令指定都市」に適用するものとされています。
逆にいえば、県道・県管理河川の仕事は早く出るということです。東葛エリアには県管理の河川と県道が多くあります。県の入札参加資格をお持ちの会社は、この秋の発注量を見ておく価値があります。
いま確認しておきたい4つのこと
- 千葉県と市町村の入札参加資格が有効か。土木一式・とび土工・舗装の等級はどこか
- 県や市と災害協定を結んでいるか。結んでいるなら、連絡先と担当者は最新か
- 関東地方整備局の「建設会社における災害時の事業継続力認定」を受けているか
- 重機と技術者を、いま何日で出せるか。下請への声かけを含めて



災害が起きてから手を挙げても、その時点では把握されていません。名簿に載っている会社に、電話が行きます。この点は、建設機械の位置情報の記事でも同じことを申し上げました。





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参考
最終更新日:2026年9月8日
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