のしいか所長12月31日までに、出さなければならない報告があります。介護サービス事業者の経営情報の報告です。システムが1年半止まっていて、先々週(10月26日)に再開したばかりです。



止まっていたのなら、うちはまだ出していません。



多くの事業所がそうです。3月決算なら令和7年3月期の分が、あと2か月で期限を迎えます。あわせて、すでに減算が動いているBCPのことも書きます。
まず、12月31日の期限です
厚生労働省は令和8年10月15日の介護保険最新情報 Vol.1546で、介護サービス事業者経営情報データベースシステムの運用を10月26日(月)に再開すると知らせました。あわせて、報告の期限が示されています。
| 対象となる経営情報 | 報告期限 |
|---|---|
| ① 令和7年3月から令和8年2月までに会計年度が終了する報告 | 令和8年12月31日 |
| ② 令和8年3月から同年12月までに会計年度が終了する報告 | 令和9年3月31日 |
| ③ 令和9年1月以降に会計年度が終了する報告 | 会計年度終了後3月以内 |
①に当たるのは、たとえば3月決算なら令和7年3月期です。9月決算なら令和7年9月期、12月決算なら令和7年12月期。1年半前に終わった決算の分が、いま期限を迎えます。
なぜこんな形になったのか。令和7年4月23日の通知で、システムが一時停止されていたからです。報告負担を軽くするためのシステム改修で、令和7年3月以降に終了する会計年度の報告(2回目以降)が受け付けられない状態が続いていました。
これは、何の報告か
介護保険法第115条の44の2にもとづく報告です。令和6年4月に始まりました。原則としてすべての介護サービス事業者が、経営情報を都道府県に報告します。
| 根拠 | 介護保険法 第115条の44の2 |
|---|---|
| いつ | 毎会計年度終了後、3月以内(上の表の経過措置あり) |
| どこへ | 都道府県(システム経由) |
| 何で | 介護サービス事業者経営情報データベースシステム |
| 入れ方 | 画面に直接入力、または会計ソフトから出したCSVの取り込み |
出さなくてよい事業者
千葉県のページは、対象外をこう書いています。事業者が持つすべての事業所・施設が、次のいずれかに当たる場合です。
- 「当該会計年度に提供を行った介護サービスの対価として支払いを受けた金額が100万円以下の者」
- 災害その他、都道府県知事に報告できないことについて正当な理由がある者
サービスの種類で外れるものもあります。厚生労働省の資料では、居宅療養管理指導/養護老人ホーム/介護予防支援/介護療養型医療施設(令和6年3月31日に廃止)/総合事業のサービスが報告対象外とされています。
GビズIDが要ります。しかも、委任が使えません
厚生労働省のQ&Aに、こうあります。
「本システムへのログインに当たっては、GビズIDアカウントが必要となるため、同アカウントを取得していただく必要があります」
「本システムではGビズIDの委任機能は使用できません」
ここが、ほかの手続きと違うところです。代理人のアカウントでは入れません。事業者ご自身のGビズIDプライムで、ご自身がログインします。すでにお持ちのGビズIDプライムは、そのまま使えます。
GビズIDプライムは、申請から発行まで日数がかかります。お持ちでない事業者は、12月31日から逆算すると、11月のうちに取っておく必要があります。
単位は、事業所ごとが原則です
厚生労働省の資料に「経営情報の報告は、原則、介護事業所・施設単位で行うものとします」とあります。同じ事業所番号でも、サービス種別が違えば別の事業所・施設として数えます。
- 同じ建物でまとめて経理している場合は、「拠点単位で報告することとして差し支えありません」
- 事業所ごとの会計区分をしていないなど、やむを得ない理由があるときは、法人単位で報告できます
- 法人全体を1つにまとめる場合、都道府県ごとに分ける必要はありません
会計の区分をどうしているかで、報告の形が決まります。ここを先に整理しておくと、入力の手間がだいぶ変わります。
10月の再開で、報告事項が3つ増えました
令和8年10月15日の一部改正で、延べ床面積が3つ加わっています。
- 介護サービスごとの延べ床面積
- 医療における延べ床面積
- 障害福祉サービスにおける延べ床面積
いずれも任意の項目です。通知には「精度の改善等のため」とあります。介護以外の収益・費用を分けられない事業者の取扱いも、この3項目を含む形に直されました。
間に合わないときは、先に相談してください
Q&Aに、こう書かれています。
「法令等により定められている会計監査に時間を要することにより、やむを得ず3か月以内の報告ができない場合については、監査終了後早急に提出することで差し支えありません」
「こうした事情がある場合には、管轄の都道府県の担当部局と事前に相談をお願いします」
千葉県の窓口は、健康福祉部高齢者福祉課 介護事業者指導班(043-223-3926)です。県のページは令和8年10月28日に更新され、システム再開の案内が載っています。
BCPは、もう減算が動いています
業務継続計画未策定減算です。令和6年度の介護報酬改定で入り、経過措置は令和7年3月31日で終わりました。いまは本則です。
| 減算 | |
|---|---|
| 施設・居住系サービス | 所定単位数の100分の3 |
| その他のサービス | 所定単位数の100分の1 |
| 対象外 | 居宅療養管理指導/特定福祉用具販売 |
同じ資料に、実際の適用状況が載っています。令和7年11月サービス分で、268,716事業所のうち215事業所(0.08%)が減算の対象でした。ほとんどの事業所は、すでに策定しています。



0.08%という数字を、どう読むか。215事業所は、毎月、所定単位数を1〜3%削られています。計画を1つ作れば止まる減算です。自社が入っていないか、請求明細でご確認ください。
計画を作っただけでは、足りません
同じ資料に、研修と訓練の回数が示されています。感染症の分も含めて、次のとおりです。
| 研修・訓練(シミュレーション) | |
|---|---|
| 入所系 | 年2回以上 |
| 通所・訪問系 | 年1回以上 |
令和9年度改定で、BCPの扱いが論点になっています
令和8年8月28日の介護給付費分科会(第263回)の資料4に、論点が3つ挙がっています。
- 災害対策基本法等の改正を踏まえ、災害に備えた施設と行政の連携体制をどう進めるか
- 被害を早く把握して支援につなげるため、施設と行政の間で情報をどう共有するか
- BCPに係る報酬上の評価をどうするか、経過措置が残るサービスをどう扱うか
③が、事業所に直接響きます。減算のままなのか、加算が付くのか。答えが出るのは、令和9年1月の諮問・答申です。
処遇改善加算は、1月を待ってください
運営中の宿題というと、まず処遇改善加算の計画書と実績報告が思い浮かびます。ただ、いまは作り込む時期ではありません。
加算の形そのものが、令和9年度の報酬改定で変わる見込みだからです。単位数が出るのは1月の諮問・答申で、施行は4月。いま要件を読み込んでも、読み直しになります。
11月・12月にやるのは、計画書づくりではありません。経営情報の報告(12月31日)と、BCPの訓練記録の点検です。加算は、年明けからで間に合います。
いまの取得率などの数字は、別の記事に書いてあります。


幼稚園・こども園の「経営情報の報告」とは、別の制度です
同じ名前の報告が、幼稚園・認定こども園にもあります。こちらは公定価格の減算につながるもので、出し忘れると基本分単価の5%相当が引かれます。
根拠も、提出先も、システムも違います。どちらもお持ちの法人は、混ぜないようご注意ください。


運営中の宿題を、1枚に
| いつ | やること | 外すと |
|---|---|---|
| 11月中 | GビズIDプライムを持っているか確認。なければ取得 | 12月31日に間に合いません |
| 12月31日 | 経営情報の報告(令和7年3月〜令和8年2月に終了する会計年度分) | 期限超過 |
| いつでも | BCPの訓練記録の点検(入所は年2回以上、通所・訪問は年1回以上) | 運営指導で指摘 |
| いつでも | 業務継続計画の有無の確認 | 所定単位数の1〜3%を毎月減算 |
| 令和9年1月 | 介護報酬改定の諮問・答申を見る(処遇改善加算・BCPの扱い) | 4月の施行に間に合いません |
| 令和9年3月31日 | 経営情報の報告(令和8年3月〜12月に終了する会計年度分) | 期限超過 |
当事務所にできること
- 経営情報の報告の段取り——対象かどうかの確認、報告単位(事業所・拠点・法人)の整理、入力項目の下ごしらえ
※ システムへのログインは、GビズIDの委任機能が使えないため、事業者ご自身で行っていただきます - BCP——計画の作成・見直し、研修と訓練の記録の様式づくり
- 運営指導の事前点検
- 処遇改善加算の計画書・実績報告(令和9年度改定の内容が出てから)
- 介護サービスの指定申請・変更届
千葉県松戸市を拠点に、東葛エリアの介護・福祉の事業者様のお手伝いをしております。まずは、決算月を教えてください。それだけで、12月31日に出すものがあるかどうかが決まります。
あわせてお読みください








参考にした資料
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1546」(令和8年10月15日)および添付の一部改正通知(老認発1015第2号・老高発1015第2号・老老発1015第2号)
- 厚生労働省「介護サービス事業者の経営情報の調査及び分析等」、同「介護サービス事業者経営情報データベースシステムの運用再開について」、同「制度内容」(令和8年10月)、同「介護サービス事業者経営情報の報告等に関するQ&A」
- 社会保障審議会 介護給付費分科会 第263回(令和8年8月28日)資料4「災害時等における業務継続の取組の強化等」
- 千葉県「介護サービス事業者経営情報の報告」(令和8年10月28日更新)
- 介護保険法 第115条の44の2、介護保険法施行規則 第140条の62の2の2〜第140条の62の2の6
最終更新日:2026年11月4日 / 本記事は令和8年11月4日時点で公表されている資料にもとづいています。報告しなかった場合の取扱い(命令・公表・指定取消などの有無)は、当方では確認できていません。厚生労働省の資料とQ&Aには記載がありません。会計監査以外の理由で期限に間に合わない場合の扱いも、同様に確認できていません。また、システム停止前にすでに報告した分をやり直す必要があるかどうかも、資料からは読み取れませんでした。ご自身の事業所が対象かどうか、報告の単位、期限は、千葉県健康福祉部高齢者福祉課(043-223-3926)または管轄の都道府県の担当部局にご確認ください。
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