のしいか所長今日9月1日は防災の日です。今年の東葛エリアにとっては、訓練の日ではなく先月の記憶を確かめる日になりました。



正直、防災訓練どころではなかった。片付けと保険と、資金繰りで精一杯だったよ・・



その通りだと思います。ですので今日は訓練の話ではなく、次に備えるための制度の話をします。止水板や排水ポンプを入れるときに使える税制があることを、ご存じでしょうか。
今日が防災の日である理由
防災の日と防災週間は、昭和57年5月11日の閣議了解で定められています。「毎年9月1日とし、この日を含む1週間を『防災週間』とする」とされ、その趣旨はこう書かれています。
台風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波等の災害についての認識を深めるとともに、これに対する備えを充実強化することにより、災害の未然防止と被害の軽減に資する
「起きた後」の制度は使いました。次は「起きる前」です
先月ご案内した災害復旧貸付やセーフティネット保証4号は、被害が出てから使う制度でした。資金繰りをつなぐには不可欠ですが、水が入ること自体は止められません。
これに対して、事業継続力強化計画は起きる前の制度です。中小企業が策定した防災・減災の計画を経済産業大臣が認定するもので、中小企業庁は「中小企業のための取り組みやすいBCP」と位置づけています。
計画に書くのは、五つだけです
「BCP」と聞くと身構えてしまいますが、記載する事項は次のとおりです。
- 企業の概要
- 自然災害が事業活動に与える影響の認識(被害想定等)
- 初動対応の内容
- 事前対策の内容
- 事前対策の実効性の確保に向けた取組
認定を受けると、止水板が特別償却の対象になります
ここが本題です。令和9年3月31日までに認定を受けた中小企業者は、中小企業防災・減災投資促進税制により、対象設備の取得価額の16%の特別償却を受けられます。
| 区分 | 最低取得価額 | 設備の例 |
|---|---|---|
| 機械及び装置 | 100万円以上 | 自家発電設備、浄水装置、揚水ポンプ、排水ポンプ、耐震・制震・免震装置 ほか |
| 器具及び備品 | 40万円以上 | 自然災害等の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する設備 |
| 建物附属設備 | 60万円以上 | 止水板、防水シャッター、貯水タンク、排水ポンプ、揚水ポンプ、自家発電設備、キュービクル式高圧受電設備、格納式避難設備 ほか |
対象設備の例に、止水板、防水シャッター、排水ポンプ、揚水ポンプが並んでいます。先月の水を経験された会社が、まさに次に入れたいと考えている設備そのものです。建物附属設備なら60万円から対象になります。



設備を入れてから計画を出しても、税制は使えません。認定が先、設備が後です。順番を間違えないでください。
建設業の方へ ― もう一つの「事業継続力認定」があります
名前がよく似た制度が、もう一つあります。関東地方整備局の「建設会社における災害時の事業継続力認定」です。中小企業庁の制度とは、まったくの別物です。
| 事業継続力強化計画 | 建設会社の事業継続力認定 | |
|---|---|---|
| 認定するのは | 経済産業大臣 | 関東地方整備局 |
| 主なねらい | 税制・金融支援・補助金加点 | 総合評価落札方式での加点(地域への貢献) |
| 受付 | 随時(電子申請) | 年1回 |
| 有効期間 | 計画の実施期間は3年以内 | 新規2年/継続3年 |
気をつけていただきたいのが受付時期です。関東地方整備局の認定は、令和8年度分の受付が4月15日から5月29日で、すでに終了しています(令和8年10月1日付の認定分)。次は来年の春です。公共工事を手がけておられるなら、いまから準備を始めて、ちょうどよい時期です。
今日から着手したい5つのこと
- 先月の被害を、写真と数字で記録に残す。浸水の深さ、止まった日数、失ったもの
- 次に入れたい設備を書き出す。止水板、排水ポンプ、自家発電。金額の見当も
- ハザードマップで、自社の敷地がどう塗られているかを確認する
- 停電と断水が3日続いたら何が止まるかを、紙に一枚書いてみる
- 公共工事を手がけているなら、来春の関東地方整備局の受付を予定表に入れる



防災は、費用のかかる話だと思われがちです。ただ、計画を一枚つくることで、税制と金融と補助金の三つが動きます。手をつける価値のある制度です。



事業継続力強化計画の策定と申請、建設会社の事業継続力認定についてご相談を承っております。どうぞお気軽にお声がけください。


参考
最終更新日:2026年9月1日 / 税制の適用期限および各制度の受付時期は、必ず最新の公表資料でご確認ください。
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