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次は水を止める側に|千葉豪雨のあとに使いたい事業継続力強化計画

2026 9/10
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災害・事業継続
2026-09-01
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  4. 次は水を止める側に|千葉豪雨のあとに使いたい事業継続力強化計画
のしいか所長

今日9月1日は防災の日です。今年の東葛エリアにとっては、訓練の日ではなく先月の記憶を確かめる日になりました。

正直、防災訓練どころではなかった。片付けと保険と、資金繰りで精一杯だったよ・・

のしいか所長

その通りだと思います。ですので今日は訓練の話ではなく、次に備えるための制度の話をします。止水板や排水ポンプを入れるときに使える税制があることを、ご存じでしょうか。

目次

今日が防災の日である理由

防災の日と防災週間は、昭和57年5月11日の閣議了解で定められています。「毎年9月1日とし、この日を含む1週間を『防災週間』とする」とされ、その趣旨はこう書かれています。

台風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波等の災害についての認識を深めるとともに、これに対する備えを充実強化することにより、災害の未然防止と被害の軽減に資する

「豪雨」「洪水」と、はっきり書かれています。先月の千葉豪雨は、まさにこの条文が想定している災害でした。

「起きた後」の制度は使いました。次は「起きる前」です

先月ご案内した災害復旧貸付やセーフティネット保証4号は、被害が出てから使う制度でした。資金繰りをつなぐには不可欠ですが、水が入ること自体は止められません。

これに対して、事業継続力強化計画は起きる前の制度です。中小企業が策定した防災・減災の計画を経済産業大臣が認定するもので、中小企業庁は「中小企業のための取り組みやすいBCP」と位置づけています。

計画に書くのは、五つだけです

「BCP」と聞くと身構えてしまいますが、記載する事項は次のとおりです。

  • 企業の概要
  • 自然災害が事業活動に与える影響の認識(被害想定等)
  • 初動対応の内容
  • 事前対策の内容
  • 事前対策の実効性の確保に向けた取組

②の被害想定は、先月の被害をそのまま書けば足ります。浸水の深さ、止まった日数、失った資材。あの記録が、そのまま計画の材料になります。被災された会社ほど、この計画は書きやすいのです。

申請は自社だけで行う単独型と、複数の事業者で行う連携型があり、いずれも電子申請システムから行います。計画の実施期間は3年以内で、続ける場合は改めて新規申請となります。

認定を受けると、止水板が特別償却の対象になります

ここが本題です。令和9年3月31日までに認定を受けた中小企業者は、中小企業防災・減災投資促進税制により、対象設備の取得価額の16%の特別償却を受けられます。

区分最低取得価額設備の例
機械及び装置100万円以上自家発電設備、浄水装置、揚水ポンプ、排水ポンプ、耐震・制震・免震装置 ほか
器具及び備品40万円以上自然災害等の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する設備
建物附属設備60万円以上止水板、防水シャッター、貯水タンク、排水ポンプ、揚水ポンプ、自家発電設備、キュービクル式高圧受電設備、格納式避難設備 ほか

対象設備の例に、止水板、防水シャッター、排水ポンプ、揚水ポンプが並んでいます。先月の水を経験された会社が、まさに次に入れたいと考えている設備そのものです。建物附属設備なら60万円から対象になります。

税制のほかにも、日本政策金融公庫の低利融資と信用保証の別枠が使えます。また、ものづくり補助金など一部の補助金では、審査の際に加点を受けられます。

のしいか所長

設備を入れてから計画を出しても、税制は使えません。認定が先、設備が後です。順番を間違えないでください。

建設業の方へ ― もう一つの「事業継続力認定」があります

名前がよく似た制度が、もう一つあります。関東地方整備局の「建設会社における災害時の事業継続力認定」です。中小企業庁の制度とは、まったくの別物です。

事業継続力強化計画建設会社の事業継続力認定
認定するのは経済産業大臣関東地方整備局
主なねらい税制・金融支援・補助金加点総合評価落札方式での加点(地域への貢献)
受付随時(電子申請)年1回
有効期間計画の実施期間は3年以内新規2年/継続3年

気をつけていただきたいのが受付時期です。関東地方整備局の認定は、令和8年度分の受付が4月15日から5月29日で、すでに終了しています(令和8年10月1日付の認定分)。次は来年の春です。公共工事を手がけておられるなら、いまから準備を始めて、ちょうどよい時期です。

この加点は平成22年度から総合評価の「地域への貢献」の項目に設けられているものです。災害時に緊急輸送道路の確保や河川堤防の復旧に動ける会社を、発注者が評価する仕組みとお考えください。

今日から着手したい5つのこと

  • 先月の被害を、写真と数字で記録に残す。浸水の深さ、止まった日数、失ったもの
  • 次に入れたい設備を書き出す。止水板、排水ポンプ、自家発電。金額の見当も
  • ハザードマップで、自社の敷地がどう塗られているかを確認する
  • 停電と断水が3日続いたら何が止まるかを、紙に一枚書いてみる
  • 公共工事を手がけているなら、来春の関東地方整備局の受付を予定表に入れる

1と2は、記憶が新しいいまのうちにお願いします。半年経つと、浸水の深さも止まった日数も、驚くほど思い出せなくなります。今日が防災の日であることを、その口実にお使いください。

のしいか所長

防災は、費用のかかる話だと思われがちです。ただ、計画を一枚つくることで、税制と金融と補助金の三つが動きます。手をつける価値のある制度です。

のしいか所長

事業継続力強化計画の策定と申請、建設会社の事業継続力認定についてご相談を承っております。どうぞお気軽にお声がけください。

紺野貴裕事務所・株式会社コンノシ…
令和8年8月千葉豪雨で被災された事業者の皆様へ|手続と支援のすべて | 紺野貴裕事務所・株式会社コンノシ… 令和8年8月千葉豪雨で被災された事業者の皆様へ。罹災証明書、休業手当、セーフティネット保証4号、雇用保険の特例まで。対象25市町に松戸市・柏市も含まれます。行政書士…

参考

内閣府「『防災の日』及び『防災週間』について」
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/week/bousaiweek.html
中小企業庁「事業継続力強化計画」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.html
中小企業庁「事業継続力強化計画 認定制度の概要」(令和8年7月17日版)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/download/keizokuryoku/tebiki_gaiyo.pdf
中小企業庁「中小企業防災・減災投資促進税制」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/download/keizokuryoku/bousaizeisei_gaiyo.pdf
経済産業省関東経済産業局「中小企業等経営強化法(事業継続力強化計画)」
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chushokigyo/kyojinka/keizokuryoku_kyoka.html
国土交通省関東地方整備局「建設会社における災害時の事業継続力認定」
https://www.ktr.mlit.go.jp/bousai/bousai00000156.html

最終更新日:2026年9月1日 / 税制の適用期限および各制度の受付時期は、必ず最新の公表資料でご確認ください。

ー紺野事務所へのお問い合わせは ー

こちらです

災害・事業継続
令和8年8月千葉豪雨 千葉県 建設業許可 災害

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紺野 貴裕
所長
紺野貴裕事務所 所長/株式会社コンノシステム経営研究所 取締役。行政書士。全能連認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC/国際資格CMC)。一般社団法人千葉県能率協会 代表理事。千葉県松戸市を拠点に、建設業許可・経営事項審査・入札参加資格から、人事労務・事業承継まで、中小企業の実務を一貫して支援しています。
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© 紺野貴裕事務所・株式会社コンノシステム経営研究所・労働保険事務組合青経会.

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