のしいか所長窓口は分かりました。次は、何から書き始めればよいのでしょう。



職員は足りているつもりです。、常勤換算2.5というのがよく分からないです。



そこがいちばんの関門です。常勤換算は、御社の就業規則の所定労働時間で答えが変わります。同じ職員でも、週40時間の会社と週38時間の会社では数え方が違う。まずそこから解きほぐします。
介護シリーズの3本目です。1本目で「指定はどこに出すのか」、2本目で「報酬はいつ決まるのか」を書きました。この記事は、その間にある「中身」——申請書に書く人員と、添付する運営規程の話です。
扱うのは、これから在宅系で開業される方が最初にぶつかる3つ——訪問介護・通所介護・居宅介護支援に絞ります。


人員基準を、3つ並べます
まず全体像です。数字だけ先にご覧ください。
指定申請の中身(在宅系)|人員基準・常勤換算・運営規程
| 訪問介護 | 通所介護 | 居宅介護支援 | |
|---|---|---|---|
| 中心になる職種 | 訪問介護員等 常勤換算2.5以上 | 生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員 | 介護支援専門員 常勤1以上 |
| 責任者 | サービス提供責任者 利用者40人またはその端数ごとに1人 | (生活相談員が窓口役) | (管理者が兼ねるのが通例) |
| 管理者 | 専従・常勤が原則(兼務は条件付き) | 常勤 主任介護支援専門員 | |
| 利用者数の目安 | — | 利用者15人まで介護職員1人、超える分は5で除して1を加えた数 | 利用者44人またはその端数ごとに1人 |
| 指定の窓口 | 千葉県(柏市は市) | 市町村 | |
この表で、「常勤換算2.5」と書いてある訪問介護だけが、別の計算を要求しています。そこから始めます。
常勤換算は、御社の就業規則で答えが変わります
計算式そのものは、単純です
省令の定義はこうです。
当該事業所の従業者の勤務延時間数を当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法
要するに「みんなの勤務時間を足して、常勤1人分の時間で割る」だけです。難しいのは割り算ではなく、割る数のほう——「常勤1人分とは何時間か」です。
「常勤1人分」は、国が決めていません
解釈通知(老企第25号)はこう書いています。常勤の従業者が勤務すべき時間数は、その事業所で定められている時間数。ただし32時間を下回る場合は32時間を基本とする、と。
つまり、割る数は就業規則が決めます。御社の所定労働時間が週40時間なら40で割り、週38時間なら38で割ります。
同じ職員でも、会社が違えば換算値が違います。週に30時間働く非常勤の方は、週40時間の事業所では0.75、週38時間の事業所では0.78。小さく見えますが、2.5の境目では、この差が響きます。
実際に、数えてみます
週の所定労働時間を40時間と定めている訪問介護事業所で、1週間の訪問介護員が次のとおりだとします。
| 職員 | 週の勤務時間 | 換算 |
|---|---|---|
| A(常勤) | 40時間 | 1.00 |
| B(常勤) | 40時間 | 1.00 |
| C(非常勤) | 16時間 | 0.40 |
| D(非常勤) | 8時間 | 0.20 |
| 合計 | 104時間 | 2.60 |
2.6ですので、2.5を満たします。ここでDさんが辞めると2.4になり、基準を割ります。非常勤の方が1人抜けただけで指定の要件を欠く——在宅系の事業所が、いちばん冷や汗をかく場面です。
育児・介護・治療の短時間勤務には、特例があります
これは、ご存じない方が多いところです。育児・介護・治療のための所定労働時間の短縮措置を受けている職員は、週30時間以上の勤務であれば、常勤換算上「1」として扱えます。
週40時間の事業所で、時短で週32時間になった職員。素直に割れば0.8ですが、この特例を使えば1.0です。0.2の差が、指定の可否を分けることがあります。
管理者は、どこまで兼務できるか
省令は「事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置かなければならない」と定めています。ただし、現実には兼務が認められています。
- 同じ事業所の他の職務との兼務——サービス提供責任者と管理者、生活相談員と管理者など。管理業務に支障がないことが条件です
- 他の事業所の管理者等との兼務——令和6年度から要件が組み替えられました
後者が、開業を考える方にとって大きい変更です。以前は「同一敷地内に所在する、または道路を隔てて隣接する」事業所に限られていました。いまは距離の縛りが外れ、かわりに「利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握できる」ことが条件になっています。
居宅介護支援だけ、期限が迫っています
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
居宅介護支援事業所の管理者は、主任介護支援専門員でなければなりません。これが本則です。ただし長らく経過措置があり、主任でない介護支援専門員でも管理者になれました。
その経過措置の条文は、こうです。
令和九年三月三十一日までの間は、……介護支援専門員を……管理者とすることができる。
令和9年3月31日です。その翌日から、本則が動きます。
これから居宅介護支援で開業される方へ。いま申請しても、管理者が主任介護支援専門員でなければ、令和9年4月に行き止まります。主任研修は受講要件(実務経験や研修歴)があり、年に限られた回数しか開かれません。開業の計画より先に、研修の日程を調べてください。
すでに運営しておられる事業所も同じです。管理者が主任でない場合、令和9年3月までに主任研修を終えるか、主任を管理者に据え直すか——どちらかの手当てが要ります。
運営規程と重要事項説明書は、別の紙です
この2つを1枚で済ませようとして、指導で引っかかる事業所がよくあります。役割が違います。
| 運営規程 | 重要事項説明書 | |
|---|---|---|
| 誰のための紙か | 事業所の内部の決まり | 利用者さまへの説明 |
| いつ使うか | 指定申請に添付。変更時は届出 | 契約の前に交付して説明 |
| 根拠 | 省令(定めるべき事項が列挙されています) | 省令(内容等の説明及び同意) |
| 掲示 | 事業所に掲示。原則としてウェブサイトにも掲載 | 掲示の義務はありません |
運営規程に定める事項は、サービスによって多少違いますが、おおむね次のとおりです。
- 事業の目的及び運営の方針
- 従業者の職種、員数及び職務の内容
- 営業日及び営業時間
- サービスの内容及び利用料その他の費用の額
- 通常の事業の実施地域
- 緊急時等における対応方法
- 虐待の防止のための措置に関する事項
- (通所介護)利用定員、サービス利用に当たっての留意事項、非常災害対策
千葉県の指導で、実際に見られているところ
県の集団指導資料には、指導の現場で何を見るかが書かれています。申請の時点で整えておけば、あとが楽になります。
勤務表は、月ごとに作ってください
通所介護編には、こうあります。「原則として月ごとの勤務表を作成し、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、専従の生活相談員、看護職員、介護職員及び機能訓練指導員の配置、管理者との兼務関係等を明確にしているか確認する必要がある」。
つまり、兼務関係まで1枚の表で見えるようにしておけということです。これは申請書の付表と同じ形ですので、申請のときに作ったものを運用でも使い続けるのが早道です。
生活相談員が外出した時間は、記録を残す
通所介護の生活相談員は、サービス担当者会議への出席や利用者宅の訪問も勤務延時間数に含められます。ただし県の資料は、「実際に行った業務内容と、事業所を離れていた時刻を記録しておくこと」を求めています。含められるのは「利用者の相談・援助等に支障がない範囲」までです。
通所介護の看護職員・機能訓練指導員には、県独自の目安があります
看護職員は提供時間帯を通じて常駐する必要はありませんが、県は「提供日ごとに当該事業所において利用者の健康状態の確認等を行う時間帯は専従するように指導」としています。機能訓練指導員については「営業する週の半分以上、各々2時間以上配置するように指導」。
これは省令の文言ではなく、県の指導の目安です。省令だけを読んでいると出てこない数字ですので、千葉県で開業される方は押さえておいてください。
この記事は、令和9年4月に見直します
いま、令和9年度の介護報酬改定の議論が進んでいます。報酬だけでなく、人員配置基準も検討の対象です。基準の取りまとめは12月、単位数の答申は1月——施行は令和9年4月です。
この記事に書いた数字が動く可能性があります。12月と1月に、当事務所で見直します。


なお、10月1日からはカスタマーハラスメント対策も全ての事業主の義務になりました。介護は、利用者さまとご家族からの言動が現実の悩みになっている分野です。指定の準備と同時に、方針と相談窓口を整えておかれることをお勧めします。


まず、何から手をつけるか
- 就業規則の所定労働時間を確かめる(常勤換算の割る数です。これが決まらないと人数の計算ができません)
- 予定している職員の週の勤務時間を書き出し、足して割る(訪問介護なら2.5、通所介護なら利用定員から逆算)
- 管理者を誰にするか決める(居宅介護支援なら、主任介護支援専門員かどうかを最初に確認)
- 兼務の線を引く(誰が何を兼ねるか。勤務表で見える形に)
- 運営規程を作る(員数は「○人以上」で書けるか窓口に確認)
- 重要事項説明書を、運営規程とは別に作る
1項めから始めてください。ここを飛ばして人数だけ数えると、あとで全部やり直しになります。
当事務所にできること
紺野事務所は、行政書士と社会保険労務士の両方の看板を掲げています。介護の指定申請は、この2つがちょうど重なる仕事です。
- 指定申請の一式(付表・勤務形態一覧表・運営規程・重要事項説明書)
- 就業規則の整備——所定労働時間の設定、育児・介護・治療の短時間勤務制度
- 常勤換算の試算(いまの人員で足りるか、あと何時間要るか)
- 管理者の兼務の組み立てと、説明できる形づくり
- 変更届・更新のご相談
千葉県松戸市から、松戸・柏・流山・我孫子・鎌ケ谷を中心にうかがっています。「うちの人員で足りますか」の一点だけでも、お気軽にお尋ねください。勤務時間の一覧をお持ちいただければ、その場で試算できます。
参考にした資料
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について」(平成11年9月17日老企第25号)
- 千葉県「令和7年度介護保険指定事業者集団指導」訪問介護編・通所介護編
- 千葉県「介護保険事業者指定申請の手引」
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