のしいか所長令和8年10月1日から、パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わりました。いま雇い入れる方は、すでに新しいルールの対象です。



10月に入ってから採用した方がいるのですが、通知書は前の様式のままでした……。



いま気づいたなら、いま直せば足ります。変わったのは、労働条件通知書・ガイドライン・説明の仕方の三つです。どれも、様式と資料を整えれば済みます。順に見ていきます。
| 何が | どう変わるか |
|---|---|
| ① 施行規則 | 労働条件の明示事項が1つ増える |
| ② 同一労働同一賃金ガイドライン | 家族手当・住宅手当・夏季冬季休暇などの扱いが明記される |
| ③ 雇用管理の改善等に関する指針 | 待遇差の説明の仕方などが定められる |
① 労働条件通知書に、一行増えました
パート・有期雇用労働者を雇い入れるとき、法第6条第1項により文書で明示すべき事項に、次の一つが加わりました。
事業主に法第14条第2項の規定による説明を求めることができる旨
現行の明示事項に、これが加わって5つになりました。
- 昇給の有無
- 退職手当の有無
- 賞与の有無
- 相談窓口
- 待遇の相違等に関する説明を求めることができる旨(新設)
次の窓口に対して通常の労働者との間の待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる。
部署名 担当者職氏名 連絡先
窓口の部署名・担当者の職氏名・連絡先まで書きます。「総務まで」では足りません。そして厚生労働省のリーフレットによれば、この明示義務に違反した場合は10万円以下の過料の対象とされています。



様式の直しは10分で終わります。10月1日以降に雇い入れた方から必要ですので、まだ旧様式をお使いなら、今日のうちに差し替えてください。
② 家族手当と住宅手当が、名指しで書かれました
ここが今回いちばん重い改正です。同一労働同一賃金ガイドラインに、これまで書かれていなかった手当や休暇が具体的に加わりました。原文をそのまま引きます。
| 項目 | 改正後のガイドラインの記載 |
|---|---|
| 家族手当 | 労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の家族手当を支給しなければならない |
| 住宅手当 | 転居を伴う配置の変更が見込まれる短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の住宅手当を支給しなければならない |
| 夏季冬季休暇 | 短時間・有期雇用労働者にも、通常の労働者と同一の夏季冬季休暇を付与しなければならない |
| 無事故手当 | 通常の労働者と業務の内容が同一の短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の無事故手当を支給しなければならない |
| 褒賞 | 通常の労働者と同一の期間勤続した短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の褒賞を付与しなければならない |
とくに夏季冬季休暇にご注意ください。条件が付いていません。家族手当は「継続的な勤務が見込まれる」、住宅手当は「転居を伴う配置の変更が見込まれる」という条件がありますが、夏季冬季休暇にはそれがありません。正社員にお盆や年末年始の特別休暇を与えているなら、パートの方にも同一の付与が求められます。



「昔からパートには賞与はない」という説明は、もう通りません。説明できるかどうかではなく、そもそも支給が必要かどうかの話になりました。
③ 説明の仕方も決まりました
雇用管理の改善等に関する指針も改正されました。事業主が押さえておきたいのは、次の点です。
- 待遇差の説明は、資料を活用した口頭による説明、または理解しやすい資料の交付による
- 労働契約の更新時などに、説明を求められることを周知することが望ましい
- 賃金を決めるとき、職務の内容や成果を公正に評価して昇給に反映することが望ましい
- 正社員転換制度の内容や実績を明示し、定期的に公表することが望ましい


今日から着手したい5つのこと
- 労働条件通知書と雇用契約書の様式に、説明を求める窓口の欄を足す(部署名・担当者職氏名・連絡先まで)
- 正社員に出していて、パート・有期の方に出していない手当をすべて書き出す
- そのうち家族手当・住宅手当・夏季冬季休暇・無事故手当・褒賞があれば、上の表に当てはめて確かめる
- 差がある手当について、職務の内容・責任の範囲・配置転換の有無から理由を書き出す
- 説明を求められたときに渡す資料を1枚つくる



10月1日は、千葉県の最低賃金の改定とも重なりました。手当の洗い出しで賃金台帳を開くなら、最低賃金の確認もまとめて一度に済ませてしまうのが、手戻りがありません。



労働条件通知書の様式の見直し、待遇差の整理と説明資料の作成についてご相談を承っております。どうぞお気軽にお声がけください。


参考
あわせてお読みください






最終更新日:2026年9月3日
最終更新日:2026年10月22日 / 本記事は令和8年10月1日の施行後に、時点を合わせて書き直しています。労働条件通知書の記載例、同一労働同一賃金ガイドラインおよび雇用管理の改善等に関する指針の改正内容は、厚生労働省が公表している資料にもとづいています。個別の待遇差が「不合理」に当たるかどうかは、職務の内容・責任の程度・配置の変更の範囲によって判断が分かれます。自社の手当については、千葉労働局雇用環境・均等室または当事務所へご相談ください。
ー紺野事務所へのお問い合わせは ー


コメント